CROSS TALK 学生クロストーク

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異分野を学ぶことで可能性が広がる。

それぞれが思い描く“ヒューマニクス研究”を叶えるために取り組んで来た事とは、
異分野を学ぶ事で見えてきた面白さとは。
学生生活1年目の感想を一期生の3人に語ってもらった。

Michelle Jane Clemeno Genoveso

Michelle Jane
Clemeno Genoveso

  • [研究領域]
    感染症 / クライオ電子顕微鏡
  • [現在のメンター]
    医学医療系|川口 敦史先生
    生存ダイナミクス研究センター|
    岩崎 憲治先生

江崎 聖桜

江崎 聖桜

  • [研究領域]
    整形外科 / Cybernics
  • [現在のメンター]
    医学医療系|山崎 正志先生
    システム情報系|鈴木 健嗣先生

中田 慎也

中田 慎也

  • [研究領域]
    睡眠医学 / バイオインフォマティクス
  • [現在のメンター]
    国際統合睡眠医科学研究機構|
    柳沢 正史先生
    医学医療系|尾崎 遼先生

江崎>私はこのプログラムに入るまえから、ロボティクスと医学の勉強をしていたので、2つの分野を学べるヒューマニクスに移ることはとても自然な流れだったんだけど、ミシェルも別のプログラムから移ってきたんだよね?どうやってヒューマニクスのことを知ったの?

ミシェル>私は指導教員の先生から教えてもらったの。修士課程から博士課程への進学を考えていたときに、このヒューマニクス学位プログラムを紹介してもらって。自分の専門分野の先生だけではなく、別の分野の先生に会えるのがいいよね。

中田>僕も、ひとつの分野だけではなく、ほかの分野も学べることに魅力を感じたかな。僕は元から博士号の取得を考えていて、大学院生のときに、なるべく多くのことを学びたいと思っていた。でもエンジニアリングやインフォマティクスは、ヒューマニクスに入らないと勉強することは難しかっただろうな。

ミシェル>Shinyaのいちばんハッピーな時間って?

中田>やっぱりほかの分野の授業を受けているときが楽しいよね。ヒューマニクスのメンバーで集まるのも充実の時間かな。クラスメートからは刺激を受けることはとても多い。研究内容もそれぞれちがうからね。

江崎>授業やサマープログラムなどでいっしょに過ごす時間が長いから、お互いのことをとてもよくわかって、そこが楽しいよね。私はQEもよかったな。指導教員以外の教授からもたくさんコメントをもらえてうれしかった。

ミシェル>学生同士がとても親しくなっているのは、ともに授業を受けるだけではなく、いろんなことをいっしょに楽しめているからよね。でも、いまのQEは私にはちょっとハードかな。一期生だから先輩の例もないし。だからこそ、私たちがスタンダードになっていかないと。

中田>ヒューマニクスに入るまえは、異分野との共同研究ってあまりイメージできなかったけど、実際に授業を受けたり、ほかのラボに足を運んでいるうちにだんだんイメージできるようになってきた。

江崎>私はAIのクラスがとてもよかったかな。その授業では数学や物理のことが出てくるんだけど、最後に哲学的な話をしてくれたことが印象的で。「知能ってなに?」「AI とはなに?」ということを考えるのは新しい体験だったな。

ミシェル>私はヒューマニクスに入るまえは、エンジニアリングやインフォマティクスは医学を解決するためのツールとしてしか見ていなかったの。でも、授業を通してその大事さがわかってきたのはよかったな。なかでもいちばんよかったのは、夏にエディンバラ大学のサマースクールに行ったこと。入学1年目でスコットランドに行けるなんて夢にも思わなかったから。沖縄科学技術大学院大学のクライオ電子顕微鏡トレーニングにも参加したの。

江崎>トラベルグラントを利用したんだよね?私もエディンバラ大学でのサマープログラムに参加して、海外の研究施設に刺激を受けたわ。そこで研究発表をする自信もついて、その後、海外の学会にも何度か出席して発表したの。はじめての経験にも臆さず参加できる機会がもらえるから研究へのモチベーションがあがるよね。

中田>そうだね。海外の学会に参加するハードルは国内とちがってかなり高いと思うから、学生にとってトラベルグラントはありがたいと思う。僕も海外の学会に参加するときは利用させてもらうつもりだよ。さらに言えば、ヒューマニクスの経済支援は返済が不要なのも大きい。研究が忙しくなるとアルバイトをする時間もないからね。 ところで、江崎さんはスキルアップのためにやっていることってある?

江崎>研究に必要な技術を学ぶためにワークショップや講習には自主的に参加しているの。医工連携の分野では文献だけでは太刀打ちできないことも多いからね。ワークショップはさまざまな分野で活躍している先生方に会うことができるから、連絡先を交換すれば教えてもらう機会も増える。自分の研究を知ってもらって、アドバイスをもらえるって貴重な機会だと思うな。

ミシェル>私はすべての学習機会をきっちり活用するようにしているわ。実験スキルを高めるために、いくつかのクライオ電子顕微鏡トレーニングワークショップに参加したり、プログラミングの練習をしたり。でも、いちばん大事なのは、メンターとディスカッションすること。

中田>それはとても大事だよね。僕もちょうどいま、副メンターの先生のラボで、バイオインフォマティクス関連のジャーナルクラブや、インフォマティクスを使うために必要な数学を学ぶ輪読会に参加しているんだけど、そこで過ごす時間がとても刺激的で楽しいんだ。自分の興味があることに集中できるのは大きいかもしれない。

江崎>ヒューマニクスで学ぶ2つの専門分野を、どちらもおなじレベルまで底上げしようとするのは誰でもむずかしいと思う。専門を基礎から理解するということよりも、その大きな流れをつかんで、自らの専門とどう関わらせていくことができるか。そこが見通せるようになれば、みんな求められる場所で活躍できるんじゃないかな。

中田>いまの話は、ヒューマニクスで学ぶうえで心がけてほしいことのひとつだよね。ミシェルのこれからの夢ってなに?

ミシェル>私がなりたいのは、エンジニアリングとコンピューターサイエンスの2つの分野の架け橋になる人。そのために研究者やエンジニアと協力して、アイデアを共有できるようにしたいと思ってる。 Seiohの夢は?

江崎>私は人々がより長く健康でいられる社会、病院へ行く必要のない社会をつくりたい。そのうえで、新しい身体性(Embodi ment)のあり方を探求していきたいと思っているの。これからは疾患を治療するための工学技術だけではなく、人間の知覚・身体機能を拡張させる応用科学の研究も進んでいくはずだから、その進化がいまからとても楽しみ。

中田>僕はアカデミアかインダストリーかはまだわからないけど、将来は研究職として働きたいと考えてる。新しい発見や柔軟な発想は幅広い知識から生まれると思うので、ヒューマニクスでさまざまな知識を得ていきたいな。

江崎>ヒューマニクスは学ぶことが多いから、私たちもまだまだ成長できると思う。将来、みんなと会うのが楽しみだな。

ミシェル>そのときはまたここでディスカッションしましょう!