ヒューマニクス学位プログラムに入学する前、私は母国コロンビアのbiomedical engineering分野の修士課程に在籍していました。その最終年に、筑波大学のTsukuba Trans-Pacific Program (TTPP)を通じて交換研究生として人工知能研究室に派遣され、現在のメンターに出会いました。人工知能研究室で研究に従事するある教授からヒューマニクス学位プログラムを紹介され、純粋な工学と純粋な生物医学のどちらかを選べなかった私(それが学士号と修士号がbiomedical engineeringである理由でした)にとって、どちらの分野でも高いレベルの研究を目指すヒューマニクス学位プログラムは最適なプログラムだと思われました。
私の研究テーマは義肢、特に新しい受動式下腿義足の開発と、その設計が下肢切断者の歩行や筋力変数などのバイオメカニクスに与える影響についてです。医療機器の研究開発は、必然的に(そして最終的に)バイディシプリンつまり学際的な方向に向かっており、学際的な知識と専門知識の習得と開発によってのみ患者さんの転帰(Outcome)やQOL(Quality of Life)に大きな影響を与えることができると私は強く信じています。私の研究テーマである「ヒューマニクス」においては、新しい義肢が正しく機能するかということだけではなく、義肢がユーザーの生理機能にどのような影響を与えるのか、患者側からも義肢にどのような影響を与えるのか、さらには義肢がユーザーにどのような感情を与えるのかといった、比較的新しくも強力な問いを立てます。